原子力システム研究開発事業

平成18年度採択課題事後評価の結果

原子力システム研究開発事業 −基礎研究開発分野−
若手対象型 事後評価結果

研究開発課題名:原子力プラント全容解析のための接合部連成モデリングの研究開発
代表研究者(研究機関名):西田 明美 (独立行政法人日本原子力研究開発機構)
研究期間及び予算額:平成 18年度〜平成 20年度(3年計画) 26,055千円
項目 要約
1.事後評価 (目標達成度、研究開発計画、成果等)
【目標の立て方】
  • 原子力施設の耐震性について、その設計余裕の定量評価が課題となっている状況において、本研究の開発目標は、時宜を得た内容であると考える。
【研究開発計画】
  • 研究期間、研究内容ともに適切に設定されていたと思われる。
  • 耐震性のシミュレーションに、今まで考慮されていなかった建屋との接合部の特性を実験的に求めたデータを基に、模擬可能なモデルをたてて取り入れ、最終的には、発電プラント主要部分をシミュレートするというチャレンジングな内容が、計画的に実施されている。
【目標達成度】
  • 実験的な検証に立脚して、開発目標は十分達成されている。
【研究開発成果】
  • ハイブリッド実験システムの導入を踏まえた接合部連成モデルの開発を行い、実プラントシミュレーションへの適用を試行し、概ね十分な成果が得られている。
  • 実用化に向けて、実機プラントへの適用を念頭に置いた課題整理と今後の検討方針を明確にしてもらいたい。
【研究開発の波及効果】
  • 他分野の構造設計や耐震評価に利用できる技術で、インパクトが大きな研究だと考える。
2.総合評価
 評価:A
  • 原子力プラントの耐震性評価上重要な部品同士の接合部に着目し、接合部連成モデリングの検討、ハイブリッド実験手法による検証、実プラントへの適用を行ったものであり、優れた業績が挙げられている。今後は、他の接合様式に関する検討やプラント全体に対する安全裕度の定量評価への展開を期待したい。
3.その他
  • わが国では地震の問題が原子力発電に必然的について回るので、原子力プラントの地震時の挙動・地震余裕度に関する研究は、原子力発電の成否そのものを左右するほどの重要性がある。今後も、今回の経験を糧に継続的に本研究に取り組まれることを期待する。

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