原子力システム研究開発事業
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(資料5)中間・事後評価の結果 高強度パルス中性子源を用いた革新的原子炉用核データの研究開発
原子力システム研究開発事業における平成17年度採択課題中間・事後評価の結果について

原子力システム研究開発事業−基盤研究開発分野−中間評価 総合所見公表用

1.研究開発課題名

 高強度パルス中性子源を用いた革新的原子炉用核データの研究開発

2.研究開発の実施者

機関名:国立大学法人北海道大学  代表者氏名:鬼柳善明
機関名:国立大学法人東京工業大学  代表者氏名:井頭政之
機関名:独立行政法人日本原子力研究開発機構  代表者氏名:大島真澄
機関名:国立大学法人東北大学  代表者氏名:大槻 勤
機関名:国立大学法人京都大学  代表者氏名:藤井俊行
機関名:国立大学法人名古屋大学  代表者氏名:柴田理尋
機関名:学校法人甲南学園  代表者氏名:宇都宮弘章
機関名:独立行政法人産業技術総合研究所  代表者氏名:山田家和勝

3.研究開発の概要

 マイナーアクチニド(MA)を含む革新的高速炉システム技術の原子炉設計や安全性評価のためには、MA核種の高精度核データが不可欠である。本事業では、世界最高強度パルス中性子源等を用いてCm同位体と長寿命核分裂生成物(LLFP)等の核データ測定を行うとともに、信頼性の高い感度解析コードシステムを開発し、MAを含む革新的高速炉システムの設計に資することを目的とする。
 この目的を達成するために、以下の4項目について研究開発を実施する。全体は大きく二つに分けられ、一つは(1)〜(3)の核データ取得で、もう一つは(4)であり、得られた核データの評価等を行い原子炉設計等につなげていく研究開発である。核データ取得では、J-PARCにおける捕獲断面積測定、他施設において行なわれるJ-PARC実験を補完することを主目的とした捕獲断面積測定、また、核分裂断面積測定、崩壊熱等評価のための崩壊核データ測定を行い、新型炉設計等に重要な核データを総合的に取得する。
 (1)J-PARCにおける実験
 (2)他施設における実験
 (3)サンプル整備
 (4)核データ評価、感度解析システムの構築およびベンチマーク計算

4.研究開発予算

平成17年度  182,071千円
平成18年度 475,410千円
平成19年度 695,154千円
平成20年度(予定) 164,000千円
平成21年度(予定) 94,000千円

5.研究開発期間

 平成17年12月 〜 平成22年3月 (5年計画)

6.H18年度までの目標

【研究開発項目1】J-PARCにおける実験
①J-PARCビームライン開発
a. ビームライン設計
 J-PARC中性子減速材での最大ビーム強度位置を調べるため、黒鉛を用いた模擬体系を完成させ、北海道大学電子加速器を用いて中性子のエネルギーに依存したビーム強度の空間分布を測定する。また、ハイパフォーマンスコンピュータによって、実験シミュレーション、J-PARCシミュレーションを行う。測定結果とシミュレーション結果を基に、J-PARCに設置する核データ測定用ビームラインの最適設計を行う。
b. ビームライン製作
 上記のビームライン設計を基に、J-PARCでの空間領域的・放射線線量的規制を満足する、高精度の中性子核断面積測定が可能となる核データ測定用ビームラインを具体的に設計し、製作・設置する。
c. 中性子モニター開発
 J-PARCの大強度中性子ビームの強度と形状を測定できる中性子モニターは現存しない。そこで、本事業では、中性子ビームモニターして、中性子ビームを直接観測するタイプの電流型検出器と、間接的に観測するタイプの中性子モニターC6D6検出器システムの2種類を開発する。
②中性子捕獲実験装置開発及び実験
a. 全立体角Geスペクトロメータの高性能化
 J-PARCでの中性子捕獲実験に供するため、飛行時間実験装置を増強することで、全立体角Geスペクトロメータの高性能化を図り、性能を評価する。また、高速データ収集システム開発のために高速データ収集ボードを製作する。
b. 中性子・ガンマ線場特性試験
 J-PARCに設置する核データ測定用ビームラインの中性子・ガンマ線場の特性試験を行うために、C6D6液体シンチレーション検出器基礎実験システムを開発する。
c. 中性子捕獲実験
 H20年度以降において、上記の高性能化された全立体角Geスペクトロメータ等を用い、MAのCm同位体、LLFPのTc-99、I-129、Zr-93、Pd-107について、中性子捕獲断面積の測定実験を実施予定である。

【研究開発項目2】他施設における実験
①中性子捕獲補完実験
a.安定同位体試料の熱中性子捕獲断面積実験
 熱中性子捕獲断面積測定実験のために、既設の即発ガンマ線実験装置を熱中性子捕獲断面積実験装置に改造し、性能試験を実施する。その後、安定同位体試料を用いた熱中性子捕獲断面積実験を行う。また、熱中性子捕獲断面積実験を行う予定の原子力機構JRR-3及び京大炉ライナック等の中性子場における中性子ビームの形状を把握し、中性子コリメータ、サンプル、測定器の最適位置合わせを行うために、ビームプロファイルモニターを開発し、基礎特性試験を行う。
b.逆反応による中性子捕獲断面積実験
 サンプル入手が困難な長寿命核種の中性子捕獲断面積を求めるため、逆反応である光核反応を用いる手法を開発し、産業技術総合研究所レーザー逆コンプトン光発生装置の安定化整備を行なうとともに、これを用いて光核反応予備実験を行う。
c.LLFP核種の中性子捕獲断面積測定
 LLFP核種サンプルに不純物として含まれる安定同位体について、中性子捕獲断面積の測定を京大炉ライナックで行う。
②核分裂実験
a.MA等の核分裂断面積実験及び核分裂質量分布測定実験
 多重層型アバランシェ核分裂検出器等の開発を行う。これを用いて、H19年度以降、京大炉リニアック鉛スペクトロメータ(京大炉鉛スペクロメータ)を用いて、Cm同位体を含むMA等の核種の中性子核分裂断面積を測定する。ガンマ線自動測定装置を整備し、H19年度以降に、東北大学加速器を用いて、MA等の陽子・光誘起核分裂における質量分布を測定する。
b.崩壊核データ測定
 崩壊核データ測定のために、高い検出効率を有する高純度Ge検出器(クローバー検出器)とアンチコンプトンBGOシンチレーション検出器からなる崩壊核データ実験装置を開発し、それぞれの検出器の性能試験を行う。これにより、H19年度以降に、崩壊核データを系統的に取得するとともに、未知原子核の探索を行う。

【研究開発項目3】サンプル整備
 革新的原子炉用核データ測定実験に用いるCm-244等のMA核種、LLFP核種サンプル中に不純物として同伴する安定同位体核種について高品質なサンプルを整備し、分析試験を行う。

【研究開発項目4】核データ評価、感度解析システムの構築およびベンチマーク計算
①核データ評価
 H18年度までは未実施であるが、本事業で測定された核データについて、核計算等で利用できるように、核断面積データを従来の測定値や理論計算との比較検討により評価し、評価済核データとして纏めることを19年度以降に行なう。
②感度解析システムの構築
 核データの違いによる核計算への影響を把握するため、誤差伝播を考慮した感度解析システムを構築する。そのために、共分散処理機能を検討し、また、感度解析システムの整備としてシステムのプロトタイプの実装を行なう。
③ベンチマーク計算
 評価データの信頼性・精度を確認するために、積分実験のデータ解析によるベンチマーク計算を実施する。そのために、ベンチマーク計算に利用できる実験データの調査を行うとともに、ベンチマーク計算システムの検討を実施し、解析手順と解析モデルの決定及び問題の摘出を行なう。

7.これまでに得られた成果

【研究開発項目1】J-PARCにおける実験
①J-PARCビームライン開発
a. ビームライン設計
 J-PARC中性子減速材での最大ビーム強度位置を調べるために、模擬体系を完成させ、予定していた実験を遂行し、中性子ビーム強度の空間分布を得た。そして、実験シミュレーションと比較した結果、ほぼ一致する結果が得られた。さらに、J-PARC中性子源体系モデルを用いてシミュレーションした結果、中性子ビーム強度の空間分布は模擬実験と同様な性質を持つことが分かった。また、J-PARC中性子源体系モデルのシミュレーション結果から、核データ測定に最適なサンプル位置を決定した。
b. ビームライン製作
 J-PARCビームラインを製作するために、放射線遮蔽のシミュレーション計算を行うことにより、また、隣のビームラインとの取り合いを具体的に検討・調整することにより、ビームライン基本遮蔽体の遮蔽材の構成・厚さを最適に決定し、核断面積測定を効率的に行える基本遮蔽体を詳細設計した。そして、中性子源から約12〜17mの領域の上流部分の具体的設計・製作・設置を行った。平成19年度は、残りの部分の基本遮蔽体について具体的設計・製作・設置を実施する予定である。
 最適な中性子ビームを得るために、中性子ビームコリメーションのシミュレーション計算を行うことにより、中性子ビーム輸送システムを構成する中性子ビーム輸送管とコリメータ等の詳細設計を行った。中性子源から約2〜17mの領域について、ビームシャッター部コリメータ、生体遮蔽部中性子輸送システム、上流部中性子輸送システムを設計・製作・設置することができた。また、核断面積測定において中性子バックグラウンドを減少させるために、T0チョッパー、ディスクチョッパー、中性子フィルター装置等をビームラインに設置するが、この内、T0チョッパーについては、自動着脱機能付きT0チョッパーハウジングとして設計・製作し、さらに、ビームラインの模擬体系を用いてハウジングの着脱を試験した。これにより着脱機能に問題のないことがわかり、J-PARCでの設置における注意点、問題点を抽出した。平成19年度はT0チョッパーの完成・設置、ディスクチョッパーと中性子フィルター装置の設計・製作・設置を実施する予定である。
c. 中性子モニター開発
 J-PARCビームラインで用いる中性子モニターを開発するために、中性子ビームを直接的に測定する電流モードの中性子計測装置開発においては、Liガラスシンチレータを用いて中性子飛行時間スペクトル等の基礎データを収集した結果、熱領域の中性子において測定できることが分かった。さらに、波形データを信号処理し高速中性子のスペクトルを得る高速中性子用計測装置を製作し、波形データ等の基礎データの収集を行った。応答の速いシンチレータを用いることにより、中性子とガンマ線の弁別が可能な見込みを得た。
 間接的に中性子ビームを測定する中性子モニターC6D6検出器システムの開発では、システムを開発し、東工大ペレトロンを用いて詳細特性試験を行った。その結果、本システムは、J-PARCの核データ測定用ビームラインの高強度中性子ビームの強度と形状の測定を行うための十分な性能を有することが分かった。平成19年度には、システムを改良・完成させ、東工大ペレトロンを用いて総合試験を行う予定である。
②中性子捕獲実験装置開発及び実験
a. 全立体角Geスペクトロメータの高性能化
 全立体角Geスペクトロメータの高性能化のために、その構成要素であるクラスター検出器の内部特性を測定することを目的とし、クラスター外周素子、クラスターGe素子試験装置の整備を行った。また、電気冷却式Ge検出器、BGO検出器について、個々の装置の試験を行い、所定の性能を確認した。平成19年度にはこれらの検出器の整備を継続するとともに、新たに整備する検出器架台にクラスター検出器等とともに組み込み、高性能化を達成する予定である。また、高速データ収集システム開発のために高速データ収集ボードの詳細設計と試作を行い、所定の性能を確認した。これを基に、平成19年度において製作を行う予定である。
b. 中性子・ガンマ線場特性試験
 J-PARCビームラインの中性子・ガンマ線場の特性試験を行うために、C6D6液体シンチレーション検出器基礎実験システムを開発し、東工大ペレトロン用いて詳細特性試験を行った結果、本システムは、J-PARCの核データ測定用ビームラインの中性子・ガンマ線場特性試験を行うための十分な性能を有することが分かった。平成19年度には、データ収集装置を除いて、システムを改良・完成させ、東工大ペレトロンを用いて総合試験を行う予定である。
c. 中性子捕獲実験
 本項目が「(1)J-PARCにおける実験」の最終目的であり、平成20年度から開始する予定である。

【研究開発項目2】他施設における実験
①中性子捕獲補完実験
a.安定同位体試料の熱中性子捕獲断面積実験
 原子力機構JRR-3における即発ガンマ線実験装置の改造のために、検出器架台を製作した。改造は平成20年度に完成する予定である。既存装置を用いた安定同位体試料の即発ガンマ線実験(熱中性子捕獲断面積予備実験)を行い、Mg, Si, S, Ni同位体における即発ガンマ線スペクトルを得、MA, LLFPの測定時におけるこれらの核種に起因する即発ガンマ線の影響を評価することが可能になった。各種中性子場における中性子ビームの形状を把握するために、ビームプロファイルモニターを開発した。有感領域50mmφで、2次元の分解能がほぼ0.5mm以下であることが分かり、中性子コリメータ、サンプル、測定器の最適位置合わせに使用できることを実証した。
b.逆反応による中性子捕獲断面積実験
 光核反応実験に用いる産業技術総合研究所レーザー逆コンプトン光発生装置を高安定化させるための整備を実施するとともに、光核反応実験装置の開発を行い、その基礎性能試験を行った。その結果、逆コンプトン光が安定供給され、また、光核反応実験装置は逆コンプトン光エネルギー分布の測定に十分な性能を有することが分かった。また、Zr-96及びSe-80サンプルの光核反応実験において、光核反応中性子測定の予備実験を行った。平成19年度下期には、開発した光核反応実験装置を用いてZr-96及びSe-80サンプルの光核反応中性子測定の本実験を行う予定である。
c.LLFP核種の中性子捕獲断面積測定
 LLFP核種サンプルに不純物として含まれるPd-105, Pd-108に対する中性子捕獲断面積測定を、京大炉ライナックを用いて行った。また、補完実験用信号処理回路を整備し、従来の回路では測定できなかった高エネルギー領域における測定を可能にした。
②核分裂実験
a.MA等の核分裂断面積実験及び核分裂質量分布測定実験
 核分裂断面積実験のために、多重層型アバランシェ核分裂検出器とデータ収集システムの開発を行い、電極に用いるアルミ蒸着薄膜の厚さを適正化することにより、核分裂片とバックグラウンドとなるα粒子を十分に識別する性能を得た。また、データ収集システムを適正化し、遅い信号系、速い信号系の両回路によるデータ取得を同時に行えるようにした。京大炉ライナックでは信号ケーブルを新たに敷設し、低ノイズで測定ができることを確認した。京大炉ライナックでは平成19年度から本実験に入った。
 また、東北大学ライナックにおいてThの光誘起核分裂における質量分布の測定を行った。ガンマ線自動測定装置により、捕集した核分裂片を同定し、質量分布を求めた。
b.崩壊核データ測定
 崩壊核データ実験装置を構成するクローバー検出器、アンチコンプトンBGOシンチレーション検出器の性能試験を行った。エネルギー分解能はベータ崩壊エネルギー測定に十分な精度であること、従来の検出器に比べ高い検出効率を持つこと、また、これら2台の検出器の同時計数測定ができ、全吸収型検出器として組み立てられることを確認した。ベータ崩壊エネルギーの測定及び崩壊核データ測定における性能評価のために、原子力機構タンデム加速器を用いて、崩壊エネルギーが5MeV程度の既知の核分裂生成物を分離、測定し、現在解析中である。平成19年度後半では、崩壊エネルギーが8MeV程度までの核分裂生成物を測定する予定である。

【研究開発項目3】サンプル整備
 核断面積測定に用いるMA及びLLFP核種のサンプルを整備するために、MA及びLLFP核種の高品質サンプルに対する核種の選定と、各サンプルの仕様及び製作に関する検討を行った。その結果、中性子捕獲断面積測定用の密封放射性同位元素として、Cm-244, 246, Tc-99, Zr-93, Pd-107、核分裂断面積測定用の非密封放射性同位体元素としてCm-245, 248を測定対象として選定し、各サンプルに対する技術的仕様を定めた。LLFP核種サンプルに不純物として同伴する安定同位体核種のPd-105, 106, 108及びZr-96について整備を行い、ペレット状に固化し、アルミニウム製のケースに封入することによって中性子捕獲断面積測定用サンプルを製作した。Tc-99、Cm-244サンプル及び核分裂断面積測定用のCm-245、Cm-248サンプルを購入し、それぞれについてTc-99は飛行時間分析、Cm-244はガンマ線分析、Cm-245、Cm-248はα線分析を行い、サンプルの特性に関するデータを取得した。平成19年度下期には、Zr-93及びCm-246サンプルの整備を行い、サンプルの分析試験を実施する予定である。

【研究開発項目4】核データ評価、感度解析システムの構築およびベンチマーク計算
①核データ評価
 本項目は平成20年度から開始する当初計画であったが、平成18年度に本事業で測定されたPd同位体の核断面積データを基に、前倒しで平成19年度から核データ評価を実施することとした。
②感度解析システムの構築
a.共分散処理機能の検討
 誤差伝播を考慮した感度解析システムの開発では、異なる核データやそれらの誤差による核計算への影響を把握するために必要なインターフェースの設計・試作・製作・試験・改良を実施する。平成18年度までに核断面積処理機能のインターフェース試作版を作成し、核断面積の作図・作表することが可能になり、現在はこれまでの成果をベースとした共分散の作図・作表機能の開発を進めている。
b.感度解析システムの整備
 感度解析システムの整備のために、システムとして必要な要件調査を実施した。その調査を基にウェブアプリケーションとしてシステムのプロトタイプの実装を行なった。その結果、基準ライブラリに対し核断面積データが変化することによる核特性の変化を、今回の整備でシステムに入れた炉心体系について得ることが出来た。
③ベンチマーク計算
 ベンチマーク計算のために、炉物理、遮蔽に関するベンチマーク計算に利用できる実験データの調査を行うとともに、炉物理実験の調査・分析のためICSBEP(国際臨界安全ベンチマーク実験プロジェクト)ハンドブックの調査や予備的感度解析を通してベンチマーク計算システムの検討を実施し、解析手順と解析モデルの決定及び問題の摘出を行なうことが出来た。

8.中間評価の過程における主な指摘事項

【全体】
  • 核廃棄物の消滅処理を含めて、将来の原子炉開発に有用な核データの取得と我が国独自の核データライブラリの充実が期待される。J-PARCでの実験に向けて、必要な準備・検討を実施することが、本研究開発の所期の成果を上げるために重要である。

【研究開発項目1】J-PARCにおける実験
  • 平成20年度より開始する中性子捕獲実験の準備作業として進めているJ-PARCビームライン開発、中性子捕獲実験装置開発は計画通りに進んでおり、J-PARCにおける実験データの取得が期待されるので着実に研究を進めること。

【研究開発項目2】他施設における実験
  • J-PARCにおける実験と密接に関係があり、今後も着実に研究を進めること。
  • 新しい手法である光核反応を用いる実験計画の部分については十分に検討準備をしておくこと。

【研究開発項目3】サンプル整備
  • 同位体の不純物測定、その影響評価がサンプル整備を進める上で重要となるので、きちんとしたサンプル整備を進めてもらいたい。

【研究開発項目4】核データ評価、感度解析システムの構築およびベンチマーク計算
  • 感度解析システムの構築は、これまでになかった機能であり、核設計に役立つ成果が期待されるので着実に進めてもらいたい。

9.中間評価結果

 J-PARCにおける平成20年度までの実験準備が本研究遂行上、重要である。着実に研究開発を進めてもらいたい。

10.総合評価

(期待以上の成果が見込め継続すべき)
(ほぼ期待通りの成果が見込め継続すべきだが、計画について一部調整の必要がある)
(継続するためには、計画の大幅な見直しの必要がある)
(継続すべきではない)

Japan Science and Technology Agency
原子力システム研究開発事業 原子力業務室