原子力システム研究開発事業

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平成19年度採択課題事後評価の結果

原子力システム研究開発事業 −基礎研究開発分野−
若手対象型 事後評価総合所見

研究開発課題名:再処理システムに向けた核分裂生成物の高効率分離・分析法の開発
(国立大学法人大阪大学)
代表研究者(研究機関名):吉村 崇(国立大学法人大阪大学)
研究期間及び予算額:平成19年度〜平成21年度(3年計画)   45,762千円
項目 要約
1.概要及び個別評価 【概要】
 新しいコンセプトに基づく使用済み核燃料再処理システム開発を目指し、キャピラリー電気泳動法を用いて迅速にアクチノイドおよび核分裂生成物を分離する手法を開発する。また、放射線検出装置とのオンライン化、電荷調整のための電解ユニットの基礎開発とそのオンラインシステムの開発を行う。

【目標の立て方】
  • 再処理工程での元素分離過程における分析精度を向上させることは重要なことで、この点に着目し、分析法の開発に変更して目標を設定したことは適切であった。
  • キャピラリー電気泳動法を用いたアクチノイドおよびFPの迅速分離手法を研究すること自体は適切であったが、これが溶媒抽出法に優る分離法の開発につながる目標がなく、定量的な目標設定に乏しかったことは残念であった。
  • 各核種の分析濃度限界を目標にするなど、分析目標がもう少し明確になっていればなお良かった。
【研究開発計画】
  • 分離技術、検出技術、技術の検証の順で研究計画を進めることは適切であった。
  • 分離だけでなく分析までの基礎を確立する計画とするとともに、オンライン分析よりも分析精度の向上に力点を置いていればなお良かった。
【目標達成度】
  • キャピラリー電気泳動によるアクチニド元素、ランタニド元素の相互分離・挙動において、貴重なデータを取得しており一定の成果が得られている。また、錯体化学的なデータも多く取得している。
  • これらを基により詳細にかつ体系的に考察していって頂きたい。
【研究開発成果】
  • 電気泳動時、対象元素の化学形に関する情報(Am、Cmの挙動、分離に関する情報)は丁寧に評価されており、かつ錯体化学に関してのベーシックな点においても良い成果が得られている。
  • 各研究テーマについて、目的、方法、結果が分かり易く整理されているものの、実験結果の再現性や精度に関する考察・評価は不十分である。
【研究開発の波及効果】
  • アクチニド元素の分析化学や放射化学の発展に資することのできる基礎データが得られており、分析法としての可能性は示されている。
  • 核種の微量分析技術は多くの分野での適用が期待されるが、それに答えるためには結果の再現性や精度評価についてもう少し丁寧に実施しておくことが必要である。
  • 錯体化学的に基礎データを多く取得し、ランタニド系について系統的にデータを取得していることから、更に考察を深めることにより、この分野において学術的に貢献することが期待しうる。
2.総合評価
 評価:A
  • 基礎的な実験研究がなされ、データの取得し難いアクチニド元素の溶液化学の研究の進展に役立つ重要なデータを得ており、貴重な成果を挙げた。
  • 分析法に関しては、放射線計測だけで十分かどうかも含め、イオンクロマトグラフィや高速液体クロマトグラフィ等の他の類似分析技術と比較・整理するなど、もう少し詳細に検討しておいて頂きたい。
  • 「再処理システム」に対して、本研究開発成果がどのように係っていくのかが若干不明瞭であったので、再処理システムへの貢献という観点で、原子力や再処理の専門家の意見を求めながら研究を進めることが必要であった。
S)特に優れた業績が挙げられている。
A)優れた業績が挙げられている。
B)想定された業績が挙げられている。
C)想定された業績が一部挙げられていない。
D)業績がほとんど挙げられていない。
3.その他
  • 通常取扱いし難い核種について、錯体化学の観点から基礎的に研究している。多様なアクチニド元素を用いた実験研究がなされていることから、今後の進展に期待したい。
  • 成果を広く活用してもらうために、専門家のレビューを受けた論文をできるだけ数多く発表して頂きたい。

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